ナーバスなスレバスを相手にすることが多い岸釣りでは、少ない移動距離でよく動くルアーというのがよく釣れるルアーの条件のひとつです。
飛距離を犠牲にしながらも 『全水圧をウォブリングエネルギーに』 をコンセプトにセッティングしました。
潜る為ではなくアクションを最優先に設計したロングリップは周囲のエッジ部分をギリギリまでテーパー状に薄肉化し、流麗なボディラインは、アクション時の水流を負荷なく後方へ逃がしながら、絞り込まれたテールがレスポンス良く左右に振りだします。ほんの微細な抵抗すらも排除すべく、ボディ表面はエラ等のモールドを施さずフラッシュサーフェース化しエネルギーロス“0”を追求しました。
こうして各ディテールに至るまで煮詰め上げ、バランス取りを施された村上晴彦初作のクランクベイトは「80%のリトリーブスピードでルアーのポテンシャルを100%発揮する」という難題をクリアすることに功しました。この低速域から高速域までの、リトリーブスピードレンジ(幅)の広さはアングラーにとって大きなアドバンテージとなる事でしょう。
わずかなロッドワークや水流にも反応してよく動き、スローに引いてもキレのあるアクションがはっきりとロッドティップに伝わってきます。
例えば、水深1~3mのミドルレンジのバスに対しては、スローからミディアムリトリーブで狙います。
リップラップなどハードボトムでは、底まで一気に潜行させボトムとコンタクトを取りながらワーム的に操作し、バスの探査本能に訴えかけます。川では、アップクロスでキャストし、狙いたいエリアでU字を描くように操作します。また、そのまま流水のみでルアーをアクションさせるという方法も効果的です。
琵琶湖では春先と、秋から初冬にかけてウィードの少ない状態でブレイク(カケアガリ)を狙って使います。
その他に小技として、キレのある動きを利用しながらのロッドティップによる“水中ウォーキングザ・ドッグ”も有効です。
HAMA CRANK 62MRのボディをベースにライトチューニングしたバージョンがこの「HAMA CRANK TYPE-R」です。
ボトムやストラクチャーとのコンタクトといったメソッドを積極的に仕掛けていけるように水中での姿勢をやや立ち気味にバランスよく設定し、スナッグレス性を高めました。